百年といえば、教会堂ではまだ青年であるが、人家ではもう老年である。人間の住居は人の短命にあやかり、神の住居は神の永生にあやかるものらしい。(二部四編一章)


 作中に度々登場するパリの教会たち。
 一つ一つの建造物が大きすぎ、写真に撮れなかった所が多いので、ここにまとめて簡単にご紹介します。


写真:サン・シュルピス教会前の噴水
   鳩に悩まされるライオンの図



サン・メダール教会 St-Medard

 幼いコゼットとパリに隠れ住み始めた頃、ヴァルジャンがよく来ていた教会。この付近で彼はジャヴェールに見つかったかもしれないという危機感を抱く。最寄駅Censier Daubenton。


サン・ジャック・デュ・オー・パ教会 St-Jacques-du-Haut-Pas

 ヴァルジャンが成長したコゼットを連れて毎日曜日ミサに通っていた教会。ここにエポニーヌがテナルディエの無心の手紙を持って来る。最寄駅Port-Royal。


サン・シュルピス教会 St-Sulpice

 マブーフ氏が理事をつとめていた教会。マリユスは幼い頃叔母に連れられてここのヴィエルジュ(聖マリア)礼拝堂にミサに通っていた。成長した彼とマブーフ氏がここで出逢う。最寄駅St-Sulpice。


サン・メーリー教会 St-Merry

 現在の表記はSt-Merri。6月5日の朝に叛徒達がこの側を通り過ぎていった。同じ時にここでもバリケードが築かれた。シャンヴルリー街のバリケードに、ここの警鐘や時計の鐘の音が時々聞こえている。最寄駅Les Halles/Chatelet。


サン・テュスターシュ教会 St-Eustache

 シャンヴルリー街近くにある教会。6月5日の夜にマリユスがこの側を通る。晴れた日に空にそびえ立つ姿がとても美しい。最寄駅Les Halles。


サン・ポール教会 Saint-Paul

 マリユスとコゼットが結婚した教会。現在は再建され、サン・ポール・サン・ルイ教会(St-Paul-St-Louis)。最寄駅St-Paul。