バスティーユ広場の象 l'Elephant de la Bastille


 それは木材と漆喰とで作られた高さ四十尺ばかりの象の姿で、背中の上には家のような塔が立っていて、昔はペンキ屋の手で青く塗られていたが、当時はもう長い間の風雨に黒ずんでしまっていた。そして広場の寂しい露天の一隅で、その巨大な額、鼻、牙、背中の塔、大きな臀、大円柱のような四本の足などは、夜分星の輝いた空の上に、恐ろしい姿で高くそびえて浮き出していた。(四部六編二章)


 ガヴローシュが寝泊まりしていた象の図。真央さんに連れていってもらった、モンパルナス・タワーの内部で見つけました。

 モンパルナス・タワーは全59階建ての超高層ビル。その屋上からの景色はまさに「梟の見おろしたるパリー」!
 私は真央さんに教えてもらうまでその存在すら知らなかったのですが、上って本当に良かったです。
 行ったのは夜だったので、感慨もひとしおでした。



 こちらはバスティーユ駅構内の、昔のバスティーユ広場の様子が描かれた絵が並んだ中にありました。ちょっとフラッシュが邪魔ですが。

 上の図で人間と、下図で周囲の建物との対比ができますが、本当に大きいですね。確かに、こんな街中にいきなり巨大な象があったら夜は不気味だわ。