ジャン・ジャック・ルーソー街 Rue Jean-Jacques Rousseau


 あるいはまた偶然、マリユスはアンジョーラとクールフェーラックとの間にはさまって、ジャン・ジャック・ルーソー街を通った。
 クールフェーラックは彼の腕をとらえた。
 「いいかね、これはプラートリエール街だ。しかるに六十年ほど前に一風変わった家族が住んでいたために、今日ではジャン・ジャック・ルーソー街と名づけられてる。その家族というのは、ジャン・ジャックとテレーズだった。時々そこでは赤ん坊が生まれた。テレーズがそれを生むと、ジャン・ジャックがそれを捨ててしまった。」 (三部四編三章)




 細い裏路地のような道で、駅を出てから見つけるのに少し時間がかかりました。

 サン・トノレ街(Rue Saint-Honore)とエティエンヌ・マルセル街(Rue Etienne-Marcel)をつなぐ形で斜めに走っている道ですが、途中でランビュトー街(Rue Rambuteau)とルーヴル街(Rue Du Louvre)の交差点に邪魔される形でぶち切られて二本に離れています。

 昔は一本の道だったのかな? と思いながらどちらも歩いてきましたが、後で写真を見ると妙なことが。



 Rue Jean-Jacques Rousseauの看板の上に、薄くRue de Grenelleという文字が残っているのがうっすら見えます。

 ‥‥え、元はプラートリエール街だったんじゃないの??

 というかそれ以前に、この建物は一体いつから建ってるんでしょうか。謎です。もしかしたら、彼らの時代のジャン・ジャック・ルーソー街とは違う道かもしれません。


 最寄駅:RER A,B,D線,4番線 Les Halles