パリの下水道 Les egouts de Paris


「陛下、私は昨日帝国において最も勇敢な男に会いました」
「どういう男だ? そしてどういうことをしたのか、」と皇帝はせき込んで言った。
「ある事をしたいと申すのです」
「何を?」
「パリーの下水道に入ってみようと申します」(五部二編三章)


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(1)レミゼファンには気になる存在・パリの下水道。なんと、下水道の中を体験できる場所があるのです。今回の旅はこれがメインの目的の一つでした(笑)。
サン・ミシェル広場でクミさんと合流後、もう一人別の友人も連れ立って三人で向かいました。
アルマ橋のすぐ近くに入り口があります。この写真では閉まっていますが。小さくてさりげないので、ちょっと見つけにくかったです。ダイアナ妃が自動車事故で亡くなったのもこの近くだとか。
(2)地下に入ると、外の殺人的な暑さが嘘のように涼しいです。
クミさんによると、03年にパリが史上稀に見る猛暑に見舞われた時、市民に下水道(というか地下道?)が無料で開放されたそうです。
確かに.... 温度的にはとても過ごしやすいと思いますが、ギャラリーであるはずのここですら結構下水の臭いがするので、快適に過ごせるかどうかはちょっと疑問。
後で地上に出た時、温度差を更に強烈に感じ、日が沈むまで出るの待とうかと本気で考えました。
(3)ヴァルジャンが通った道筋。シャンヴルリー通りからアルマ橋のたもとまで。
数日パリの街を歩き回った後でここを訪れたので、どれくらい離れているのか大体想像できました。
外の道を普通に歩いてくるならまだできるかもしれないけど、下水道の中この距離をマリユスひきずって来たヴァルジャン、改めてすごい。


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(4)ギャラリーにブリュヌゾーさんの名前がついていました。他のギャラリーにも、下水道の発展において偉業を成し遂げた人達の名前がつけられています。
パンフレットによると、ユゴーとは友人だったそうです。あの詳細な下水道の描写はそのせいか。
(5)人の背丈ぐらいの、中が空洞になっている大きな球を見つけて、何となく撮ってみた写真。

私  「これ、中に人が入るわけじゃないですよね?」
クミ 「入ってください。そして二度と出てこないでください。大好きな下水道から」
私  「あの、私は何も下水道そのものが好きなわけではないんですが....」
クミ 「下水道で嬉々として写真撮りまくるのなんて、あなたくらいですよ」

そんなに嬉々と.... してたかもしれない。うん。
クミさんともう一人の連れは終始ハンカチで鼻を押さえていました。いや、そこまで臭ってたかなあ(←鈍い)。
(6)パリ下水道の発達などの専門的なものを別にすれば、ここの一番の売りはレミゼに関する展示のようです。
そういえばノートルダム寺院の土産屋も、カジモドとかエスメラルダとかフェビュスとかばっかりでした。改めてユゴーの影響力の大きさを感じました。

同行の二人にも「滅多にない体験ができた」と喜んで(?)もらえて、とても良い経験になりました。


最寄駅:RER C線 Pont de l'Alma